ちょうちょみたい

夕方になっても家にいて、他人の絵のことについて考えていた。大切な何かを大事にしないから、どこに置いたかわからなくなってしまう。自転車のキーはいつも玄関に置いているのに絵を描いている理由をどこにやったのかずっと思い出せないでいる。「大きいキーホルダーをつけておけばよかったな」と声に出して言ってみたけど、全然笑えなかった。

 

成人式にはいかない。

 

中学生のころの私はいわばオールマイティだったんです。人とよばれるものすべてを、私は才能のように分け隔てなく愛していたし、阿呆みたいに挨拶をしていたヤンキー、教室の隅にいた子、カッターを振り回していた子すらみんなが友達だった。いわゆる“100人で食べたい、富士山の上でおにぎりを。”状態であった。

 

五月病は治らない。

 

中学生のころの自分を軽蔑しているかのように私は成人式にはいかない。「私、あんたらより少しは面白く生きてるとおもう。」なんて誰も聞いてないしだれも何も思わないようなセリフ、しゃっくりみたいに本当に出た。